2011年11月21日月曜日

映画と原作小説のすきまー「わたしを離さないで」

やっと仕事が一段落したので、週末にiTunes Storeで映画「わたしを離さないで」をレンタル・鑑賞した。
カズオ・イシグロの原作を読んでいたので観るかどうかとても迷ったのだけど、結構原作を読んだ人にも評判がよかったので観てみたのだ。
私は先に原作を読むことが多いのだけど(映画より本を読むほうが好きなので)、あとから映画を観ると本での自分のイメージが塗り替えられちゃうような気がしてしまう。良くも悪くも、映像のインパクトは大きい。
おもしろかった本は特に躊躇する。
まあ、原作と映画は別物、という意見もわかるのだけど。

えーと、結論から言うと出演者とか、雰囲気とか、悪くないと思う。
なんだかあのイギリスの暗い、うっそうとした感じがよかった(別に“イギリス”とは特定していなかったかな?)。

でも、ちょっとエピソードをはしょりすぎな気がしてならない。
ヘールシャムでの情景があまり描かれていないので、ルースは友達から好きな人を奪いっぱなしのやなやつだし、トミーは優柔不断の男になってしまわないか。
そして、後半の一番重要なマダムに会いに行ったところの会話はあれだけでは、ヘールシャムの意義がわからないのではないか。

映画だけ観た人にそのあたりのすきまが伝わるのか、ちょっと心配になってしまいましたですよ。
あのショッキングな設定だけが心に残ってしまう気がして。
でもまあ、繰り返しだけど、原作と映画は別物であり表すテーマも違うのだよね、きっと。

ちなみに、私はあらすじを知らずに本を読んだので、素直に「ええ〜!」と思いながら読めてよかった。
原作未読or映画を観ていない人は、何も予備知識を入れずにこの物語に入っていくことがおすすめだ。といっても、すでに「あらすじ」に書いてあるから無理かも…。



わたしを離さないで (字幕版)

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